2010年3月8日月曜日

イタリアのお菓子

全く存じ上げない方とお会いして、
なにかの話を聞いたり、教えていただいたりという時、
その先生の雰囲気や人柄で、
ずいぶん自分の受け取り方が変わってしまうのに気づきました。
けっきょくのところ、
自分の“ソリ”と合うかどうかなんでしょうけど、
間口がゆるくて、豊富な知識で、興味がその周辺にまで及ぶ人が、
ワタシはどーも好きみたいです。

きょうの先生は、イタリア料理店のシェフ。
「旅をしても、女性って、ただその場所に行くだけじゃなくて、
そこからどんどん興味持って、広がっていくでしょ?
たとえば、美味しい食べ物がある、それを食べに行くとか…。
それをもう一つ進めて、じゃそれってどうしてそうなんだろう?
…って、考えて調べていくと、もっと世界が広がりますよ」
「食べて、おいしいか美味しくないかって評価するのは簡単だけど、
歴史を考えると、奥が深くて楽しいですよ~」
いやぁ~、こういう人っていいな。
もっと早くに出会っていたかったなぁ~。

イタリアって、食べ物にはっきり地方色があるんですって。
頭の中に、イタリアの地図を描いてね。

ブーツの脛から足先のボールが『南部イタリア』
ギリシャやアラブの影響があって、揚げ物たくさん。
だけど、オリーブオイルなのでとてもさっぱりしてて、
「朝からふたつは食べられる」
それに砂糖までかかってる\(◎o◎)/!
(右の写真)

“スフォリテッレ”っていう、
パイみたいに層になった、変わった形のパン。
(写真まんなか)
日本橋三越のフォートナムのベーカリーで見た時は、
てっきり、イギリスのモノだとワタシは思ってたけど、
この地方の発祥だったんですって。

手前は“カンノーリ”
丸い生地を管に巻きつけて油で揚げて、
リコッタチーズを詰めたもの。
最近は、チョコが入った物も。

奥は“ストゥルーデル”
薄く伸ばした生地にバターとリンゴを巻いて焼いたお菓子。
「甘酸っぱいリンゴの香りとシナモンの風味がたまらないんですよぉ~」

“ババ”(写真奥)もここ。
ごっとりシロップとラム酒のかかってる上に、生クリーム。
さすがのワタシもちょっと…。

手前は、“モンテビアンコ”
フランスでは“モンブラン”

柑橘類は「そこらの庭になってる」そうで、種類も豊富。
たくさん採れて、果汁をなんでもかけちゃう。
「ほら、徳島の人がスダチをなんでもかけちゃうでしょ」
その果汁、ソルベにするとおいしいと…。
あー!食べたい…っていうか、作りたい!!
思いっきり、レモン絞りでぎゅぅ~ってやって、
パルプもたぁ~くさん入ったソルベ、作りたーい。

北上して太ももくらいが『中部イタリア』
ローマ帝国のあとが色濃く残る地方です。
かたく焼いたものが多くて、
二度焼きする“カントゥッチ”っていう、バターを使わないビスコットは、
「トスカーナ産の甘口のワインに浸して食べると、
しっとりして口の中でボロボロと崩れて…」なんて、聞いてるだけで、
よだれが出てくる…。

半島じゃなくなるあたりより上が『北部イタリア』
ミラノ、トリノ、ベネツィアがここ。
近隣のフランスやドイツやスイスの影響があります。
粉もたくさんできるので、パスタも豊富。
生ハムもここらへんです。

“ヌガー”(奥の白いの)や“パネットーネ”発祥の地。
“アマレッティ”は、『カテリーナ・メディッチ』が、
フランスに伝えて“マカロン”に。
“ティラミス”と“パンナコッタ“も、ここ。

あ~、
なんだか、イタリアに行きたくなりましたよぉO(≧∇≦)O

以前、鳴り物入りで出来たイタリア食材のショップに行ったんですが、
その時のパンが、ぜんぜん美味しくなかったの。
どのパンも硬くて、酸味があって…。
「ライ麦粉だけ? 焼き立てでこれじゃ、ほしくないわ」
と、思ってもんでした。
過去記事は、こちらに。

その話をしましたら、
「いやぁ~、そんなことないよッ。
美味しい粉がたくさんあるし、種類も地方色があるし。
そういう固定観念はもったいないよ。もっと視野を広げてね」

そうだったんですね!?
ワタシ、あのお店に行ってから、
「イタリアってパスタは美味しいけどパンは最悪」って、刷り込まれてました。
偏見がなくなって、よかったわぁ~。